【色と文化】寒露 ギャッベの色と染料

10月8日頃は寒露(かんろ)。
草木に冷たい露が宿る頃です。

秋色のギャッベと、ストーブが恋しくなります。

ギャッベとは
イラン地方のカシュガイ族という遊牧民が織り上げた
天然植物染めの羊毛絨毯のこと。

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有名なペルシャ絨毯よりも織りに使う羊毛が太く粗く
そのため厚さがあります。

冷気や固い土から身を守るために、毛足も長く織られています。

このギャッベの
素朴な模様と色合いに、惹かれています。

染織に使われる材料も天然のもの。

赤の染料は茜
青は藍
黄色はザクロの実など

茜や藍など、日本の染色とも共通点があります。
シルクロードの時代に
遠く中央アジアから
日本に伝わった染料もあるでしょう。

ギャッベの色や文様にも意味があるそうです。

青は夜空や水
緑は草原
羊は愛情
生命の樹には長寿 など

織手の願い
カシュガイの世界観が
一枚のギャッベに凝縮されています。

以前、NHKのドキュメンタリーで
ギャッベを織るカシュガイ族の女性たちの
暮らしを放送していたのですが

カメラを向けられた女性が
「これを使う人の幸せを願って
楽しく織っている。
この仕事を誇りに思う」と
笑顔で話していたことが
印象に残っています。

手仕事に込められた物語を知り
心まであたたかくなりました。

秋の野山を思わせる
ディープオータムのドレープ。
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晴れた日には
秋色のお花見に行くのもいいですね。

今日は雨なので
お家で色づくナナカマドを楽しみます。

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