【色と歴史】からくり からくさ

「からくさ模様」といえば・・・
これですよね。

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濃い緑色に
白いツタのような植物が絡んだ模様。

昔はこの柄の風呂敷が押し入れに一つはあって、
お布団の包みや、ドロボウさんの定番グッズ(?)
というイメージがあります。

が、この「からくさ模様」の歴史を紐解いてみると・・・

始まりは
ケルトの渦巻き文様とも

古代ギリシャ建築の柱上部の渦巻き文様とも
言われています。(諸説あります)

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この柱の文様は、水や雲を意匠化したのではと、
私は推測しています。

この文様が
やがてエジプトやメソポタミアへ広まり
そしてイスラム圏へ。

アラベスクタイルや
ペルシャ絨毯の文様となります。

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イスラム圏の「からくさ文様」は
青系の色で表現されることが多いように見受けられます。

貴重なオアシスを連想させる水の色、だからでしょうか。

そしてシルクロードを経て
やがて日本に「唐草文様」として伝わります。
正倉院のお宝にも、葡萄唐草文様があります。

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おさえた金の唐草模様と葡萄色
調和が美しいですね。
当時の日本では栽培されていない
葡萄の蔓が絡んだ文様です。

地色はまさに葡萄色。
「から」くさ=「唐(から)」草
と呼ばれるのはこのためです。

「唐(から)」とは
日本から見た西方、中国や、中近東のことを指し

「唐渡り(からわたり)」というと
西方から海を渡ってきた最上級品のこと。

「最新!お洒落な超高級品!」といったところ。

いずれにしても
水や植物など、生命力の象徴や
かけがえのないものへの憧れ
大切に思う気持ちなどから生まれた、

ハレの模様のように感じます。

風呂敷の文様になるのも(?)
それゆえかもしれません!

壁紙やカーテンの絵柄などで
今も根強い人気を誇るウィリアム・モリスも

数多くの唐草文様をデザインしています。

うちにもありました。モリスの「マリーゴールド」

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生命力溢れるマリーゴールドの唐草模様。

カップはロシアのインペリアル・ポーセリアン。
こちらはわすれな草がモチーフですが
お花が連なる様が唐草文様
とも言えるかもしれません。

ヨーロッパでも、中近東でも、アジアでも。
唐草文様は大人気。

それから千年以上。
ラーメン丼やおちょこの模様など(笑)
今ではすっかりお馴染み模様です♪
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少しずつ形を変えながら
千年以上も続く大定番になるなんて
素敵ですね!

梨木香歩さんの『からくりからくさ』
という本を読んで

こんな想像を巡らせた、冬の日でした♪