【エッセイ】見えない力を表現する

色のエッセイ, 全カテゴリー 2019年10月17日

味覚の秋
芸術の秋
文化の秋
スポーツの秋
など、色々ありますが

秋は実りを受け取ること
人生を味わうこと
今この時を楽しむことを
自然と気付かせてくれる季節
という気がしています。

私はどの秋も楽しむという
もりだくさん派なのですが（笑）
ここ数日は「芸術と文化の秋」
に集中しています！

というのも
漫画家、美内すずえさん作の
『ガラスの仮面』で描かれている
幻の舞台「紅天女」が

オペラとして新年上演されると知り
奇跡的なタイミングでチケットを
とることができました。
これが始まりでした。

「紅天女」は、世界を形作る
風、炎、水、土のはたらき
祈り、感謝といった
「見えない力」を描いた
物語です。

その世界観と物語に
強く惹かれたことを思い出し
もっと知りたいと

美内すずえさんの対談集
『見えない力』を取り寄せました。

大事にじっくり読み進め
まだ途中なのですが（笑）

「見えない力」は確かにある。

それぞれの道の一流と言われる方々は
第六感を高め、その力を敏感に感じ
自分の分野で表現することで
道を究めているのだということが
強く迫り
私は興奮しました。

見えない力を表現する。
この世界に現実化する。
自分らしい方法で伝える。

人はきっと
誰もがそうするために
生きている。

そしてふと目をやると
そこにはこれがありました。

手のひらにすっぽり収まる
可愛らしい置物。

ストームグラスといって
普段は透明な液体が入っている
だけに見えるのですが

嵐や吹雪、雨や風など
大気が大きく変わるとき
写真のように
結晶ができるのです。

液体の成文は
エタノールと樟脳。
とてもシンプルです。

ですが気圧の変化により
雪のような結晶ができる仕組みは
正確には分からないのだそうです。

ただただ美しい。
安らぎや喜びを与える。

これも
「見えない力」の現実化。
そう気付いて嬉しくなりました。

私の仕事も
「見えない力」を
物質への配色
人の纏う洋服に
現実化することで表現しています。

それぞれの得意分野で表現する。
静かな興奮と
不思議な安心感に包まれて
私は秋本番を迎えようとしています。

気候の変動
大気の激変が続いています。

暖かくほっとする時を
一刻も早く迎えられますように。

アウラ代表　田口りえ