【色と陰陽・五行】風と大地の色 この先の時代を担う人の色

この世界を構成する要素として、世界の各地で古くから伝わるものがあります。
木・火・土・金(金属)・水、そして風です。

代表的なものには古代中国の五行(ごぎょう)、「木火土金水(もっかどごんすい)」と、
古代ギリシャの四大元素(しだいげんそ)、「土・水・空気(風)・火」があります。

中国の五行(ごぎょう)には、対応する方位や季節と色、干支、さらには時間や臓器などがあり、東西南北の方位を、青龍・白虎・朱雀・玄武の神獣が守っているとされています。中央(土)には麒麟が座します。

神獣の像としては、高松塚古墳や、キトラ古墳の壁面に描かれていた四神が有名です。

五行思想は5世紀頃に日本へ伝わり、東洋五行とも呼ばれ、宗教や医学、建築、陰陽道、占術などにも影響を与え、今もなお東洋医学、風水、四柱推命などの分野で活用されています。

また、古代ギリシャの四大元素(しだいげんそ)は、「土(大地)・水・空気(風)・火」。
時には四つの元素に加えて「エーテル」が上げられたりします。
下の図とは少し異なるのですが、当時のギリシャでは土(大地)は緑・水は青・空気(風)は紫・火は赤、と象徴的に捉えていたようです。
そしてやはりこちらの世界感にも、グノーム・オンディーヌ・シルフ・サラマンダーと、各元素を司る精霊がいます。

この四元素の思想は、古代インドにも共通するものがありました。

遠く離れた世界の各地で、同じような世界観が生まれていたことに驚きを覚えますが、
自然の厳しさを今よりもはるかに強く肌で感じ、同時にその恵みも享受していた古代の人々は、世界の要となるもののありようを、シンプルに感覚的に知っていたのだと思います。

表現方法の違いはありますが、根底にある共通点は、自然への畏敬、火と水など、一見相対する要素が混ざり合い入れ替わり、交流することで世界が調和すること。
常に変化することが自然であり、すべてこの世界に欠かすことの出来ないものである、ということです。

これからは、風の時代を迎えます。

要となる色は、風の色。
草原を渡る風を感じさせる、透明に輝く色。
光に近い、金を含む繊細な色です。

そして、風が渡る大地の色。
母なる土の色も感じます。
その色はブラウンのグラデーション。各地の命を育む豊かで多様な色相です。

風の時代は、その身その魂に繊細で精妙な色をもつ人、
そういう色に共鳴する人達の時代、という意味もあります。
私はそう感じています。

宇宙環境においては太陽活動の変化に伴う太陽風の変化、地球の磁場の揺らぎが観測され、地球環境においても気候が変動し、風向きや気候が変化し、風の相、土の相、大地の力が変わりつつあります。

時代としても、大きな変動期にあります。
これまでの価値観や当たり前のことが揺らぎ、望む望まないにかかわらず、変化を促され、実際に変化しています。

この春は世界中の人が、今居る場にとどまり、自分の内面を見つめること、今の居場所や立ち位置を見つめる機会を与えられました。

自分とはどういう存在であり、本当は何を望んでいるのか。
自分にとっての幸せとは何か、何に幸せを感じるのか。
自分の暮らす町はどういう土地なのか。
その町その場で、どう生きていくのかという選択をしていく時だったのだと思います。

カラーコンサルティングをはじめとする私のすべての活動の目的は、日本各地の個性豊かな土地と、そこに住まう人々が放つ個々の輝きを発動させること。
多様な個性が色を増し、それぞれの魅力が最大限に発揮される世界へ繋がる道を開くことです。
そのスイッチの一つとして今私は色を使い、人やものや場が発する色を感じ取り、可視化しています。

時代の要となるのは、人です。

眠っていた魅力や個性が目覚め、その喜びのエネルギーから生まれるひらめきや生業、仕組みが風を起こし、大気と大地を振動させ循環させ、やがて国土を豊かにすると信じています。

その発見は新しいものごとはもちろん、伝統と呼ばれる古くから続くものの継承、当たり前すぎて気付かなかったものごとの再発見、忘れ去られていたもの、消えようとしているものの再生も含まれます。

人は風を起こします。
そして礎(いしずえ)となるのは土です。人が立つ大地は、すべての命の源です。

大地と、大地に暮らす人が、個性という魅力を再発見し、喜びのなかで風を起こすこと。
自分という人を愛し
自分の暮らす大地を愛し
様々な人や土地が心で交わり、それぞれに流れを起こしてしていく、新たな交流の時代の始まりです。

それぞれの土地に調和する生業、人がそれぞれに調和する生き方を自由に選択する権利、豊かさの享受、安心を得ることは、当然のことです。
それが当然のことと本当の意味で気づき、誰もが自然に享受出来る時代にするために。

自分の本来の輝きを知り、本当に好きなもの、したいこと、求めるものを知り、
少しずつ、自分に与えてあげることから始めてみませんか。

たとえばリンゴが好きなら、本当に美味しいと思う産地のリンゴを買う。
好き、と思うお店や場所に、行ける時に行く。
心を緩ませ、さらに好きなものを見つけていく。
目の前の一杯のお茶ゆっくりと楽しみ、お茶の産地や、お茶を造る人、煎れてくれた人に想いを馳せる。

そんな一見ささやかで小さな一歩の重なりが、望む世界に関わる人の暮らしを少しずつ豊かにし、その流れが巡り巡って、やがて自分に戻ってきます。
豊かで大きな風の循環が、届きますように。

アウラ代表 田口りえ


本質の輝きを色に映し扉を開くカラーコンサルティング|アウラ

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