7月7日頃は小暑(しょうしょ)。
梅雨明けの便りが届き
本格的な夏を迎える頃です。
梅雨といえば曇り空や雨を連想しますが
風とも縁の深い季節です。
梅雨の初め頃に吹く風を「黒南風(くろはえ)」
梅雨明けの頃に吹く風を「白南風(しろはえ)」
といいます。
「黒」の文字に 雨水たっぷりの「雨雲」を
「白」の文字に 爽やかな「入道雲」を
連想しませんか?
南からの風が
季節の雲を運んでくる
美しい大和ことばの力ですね♪
真夏の熱をはらみ
南から強く吹き付ける白南風は
梅雨の雨雲を吹き飛ばし
青空と入道雲を運んできてくれます。
今年の関東は早々に白南風が吹き
あっという間に夏本番となりましたね。
そしてもうすぐ、7月7日の七夕です。
皆さまは、短冊に願いを込めましたか?
七夕の短冊は、もともと五色の糸を飾っていたと言われています(2017年小暑)。
五色とは、森羅万象のありよう
宇宙を表した
「木、火、土、金、水」の五行
に由来しています。
写真右から
木(青)、火(赤)、土(黄)、金(白)、水(黒)
和紙を並べてみました。
どこかで見たことがありませんか?
この色料の三原色(青、赤、黄色)と白と黒があれば
様々な色を表現することができます。
世界を表現する五行と
最先端の色表現技術の一致
不思議です。
昔の人も
色の根源を知っていたんでしょうね。
七夕といえば
彦星と織姫の伝説ですが
こちらは中国から日本に伝わり
冷泉家が守り伝える宮中行事の「乞巧奠(きっこうてん)」
の由来とされているお話です。
(何度も書いてますね。お気に入り)
七夕にちなんだ伝説には
もう一つの言い伝えがあり・・・
それは日本古来の
「棚機津女(たなばたつめ)」のお話です。
棚機津女と呼ばれる機織りの乙女が
水辺の機屋(はたや)で一晩中機を織り
7月7日に織り上げた神聖な布を神に捧げます。
それを受け取った神が
その地の汚れを祓い清め、豊穣をもたらす
というものです。
伝説の信憑性や物語に隠された意味など
諸説ありますが
この美しく不思議なお話が、私は好きです。
水辺にちなんだお話だけに
現代の暦でも旧暦でも
七夕は天つ水(雨)と縁があるようです。
明日の七夕も、雨模様のようですね。
各地で大雨が続いています。
雨は恵みであり
時には脅威ともなります。
さらなる恵みの先触れと受け取るのか
荒ぶる災厄と受け取るのか
それは人の心次第なのかもしれません。
どうか日々つつがなく
穏やかに暮らせますように。